パリを拠点とするストリートブランド「フューチャー(FUTUR)」は、興隆が著しいストリートシーンの中でも他とは違う魅力を持っている。昨今のストリートシーンでは“ロゴ至上主義”が顕著だが、「フューチャー」は真逆を行くシンプルで控えめなロゴ。そして、アイテムは無駄を削ぎ落としたプレーンなものが多く、素材と色味にもこだわることで、スケートカルチャーをバックボーンに持ちながらもクリーンな雰囲気を漂わせている。ブランドのルーツや魅力について、クリエイティブ・ディレクターのフェリックス・シェイパー(Felix Schaper)とアート・ディレクターのベン・フレドニ(Ben Fredonie)の2人に話を聞いた。
フェリックス&ベン:僕らは、アパレル業界やスケートボード・カンパニーで何年か働いていたんだけど、自分たちのブランドを立ち上げたくなって、4年前の2014年にスタートした。最初に作ったのは、昔フェリックスがランチを食べているときになんの気なしに描いた絵を使ったグラフィックTシャツだったんだけど、それが結局ブランドのメーンビジュアルになったんだ。
服のデザインによっても使う生地が異なるから、素材と色、そしてメーンとなるキーグラフィックをまず決める。それに基づいてコレクションを作りあげていくんだ。
パリに2人、日本に1人いる。僕らは、ほとんどのことを自分たちでやっているけど、たまに友人にデザインをお願いしたりするね。
世界で約60アカウントぐらいに卸していて、トップスが一番人気だ。
フェリックスは「パレス スケートボード」や「フッド・バイ・エアー」のルックを撮影するなど、写真家としての一面も持っていますが、その写真をアイテムに使うことはありますか?
フェリックス:実は、フェリックスの写真を結構使っているんだ。それが前面にプリントしているような直接的な場合もあるし、抽象的な感じでライニングやパターンに隠して使っている場合もあるよ。
同じくパリを拠点とする「OAMC」のデザイナー、ルーク・メイヤーは「クールなものが何かを理解している」と話していました。そういった絶対的な感覚は持ち合わせていますか?
フェリックス&ベン:そんな感覚はないよ(笑)。僕らは感覚よりも物事をよく見ることを大切にしているね。
ストリートシーンが盛り上がっていることについて思うことはありますか?
僕らのような小さなブランドにもより大きな機会をもたらしてくれる、いい状況だと思うよ。
来日中、インスタグラムのストーリーを頻繁にアップしていましたが、クリエイションに影響を与えるものはありましたか?
フェリックス&ベン:んー、特にそういったものはなかったかな。単に日本を楽しんでたから、いつもよりアクティブに見えたのかもしれない(笑)。
今後、何か面白いプロジェクトがあれば教えてください。
フェリックス&ベン:来年でブランドが5周年を迎える。ちょうど来日中に面白いプロジェクトをスタートしたし、他にもエキサイティングなプロジェクトが進行中なんだけどまだ教えられないんだ。楽しみにしてて。